睡眠薬が悪用される理由

睡眠薬が悪用される理由

「睡眠薬の悪用」と言えばコーヒーやお酒といった飲食物に混ぜ、同意もなしに相手に服用させる事が一般的です。

映画やドラマではよく見かける演出ですが、現実では犯罪を目的に行なわれます。その犯罪の目的も強盗や性行為、最悪の場合は殺人など数え始めたらキリがありません。

このように睡眠薬を悪用する輩がいる理由はただひとつ、自分より強い相手でも無力化が可能だからです。

犯罪をするうえで避けられないリスクのうちに「相手の抵抗」が挙げられます。

誰でも自分の身が害されることがあれば抵抗するのは当然な行為です。そうなると相手の抵抗を避ける手段をあらかじめ探し、実践することもまた自然な流れといえます。

特に一方的な性行為を目的とした犯罪であれば、お酒に睡眠薬を混入させた際に「同意はあった。酔い潰れて覚えてないだけだ」と言い訳が使えます。しかしあくまで悪いのは使用者であって、薬ではありません。

そもそも睡眠薬は不眠症を治療するための薬です。

眠気をうながす効果だけでなく、不安感や緊張感をもたらす神経を安定させて寝つきを改善します。薬は大まかに分けて4つのタイプに分かれており、そのタイプは薬がもたらされる効果の持続時間によって決められます。

具体的には30分から1時間ほどの「超短時間作用型」、1時間から2時間30分程度の「短時間作用型」、3時間から6時間ほどの「中間型」、6時間から8時間程度の「長時間作用型」です。

これらの効果は医師が処方する薬に限られた場合であり、市販の睡眠改善薬には当てはまりません。市販の睡眠改善薬は一時的な不眠に効果はありますが、長期間の服用には適していないようになっているからです。

しかし処方された薬でも市販薬でも正しい飲み方が求められます。

その理由は簡単で、正しく飲まないと副作用などのリスクが高まるからです。先述した「お酒に混入されたものを服用する」という悪用の一例を挙げましたが、アルコールとともに摂取するのは絶対にしてはいけません。

アルコールは睡眠薬の効果を強化する働きを持っており、場合によっては呼吸抑制といった命を落としかねない副作用が起こる可能性があります。 同じ働きを持っているものとしてグレープフルーツジュースがあるので、服用の際に飲むのは危険です。逆にコーヒーや紅茶に含まれているカフェインには効果を弱める力があります。

また薬が混入したお酒の見分け方に「青いお酒は薬が入っている可能性がある」と言われていますが、全ての薬がアルコールに反応するわけではありません。しかし犯罪から身を防ぐ知識として覚えておいて損がありません。